淡紅の月と華

第5章 /Yuh’s Story

親父に別室へと案内される






「…沙耶さんの件だが」







先ほどまでとは打って変わり、厳しい表情を親父は浮かべていた







「お前、沙耶さんのご両親が亡くなってるのは知ってるな?」








「ああ、当たり前だ。事故で亡くなったと聞いている」







「その事故だが…岩田組が関わっていることがわかった」







「…は?」







岩田組とは、広瀬とは別の組で、敵組織というほどでもないが、お互い監視下に置いてるような組だ









「沙耶さんのことを調べていくうちにな…その事故そのものがきな臭い匂いを感じて調べなおさせた。沙耶さんの親戚と岩田が結託していたらしい」










「な…じゃあそれって…」









「ああ、れっきとした殺しなのは間違いない。サツがそのことに気がつかねえわけないんだが、事故が起きた場所も悪かった。金を握らせれば、簡単にでっち上げることができるところだった」












「なるほどな…」










「晃が必死にヤクザと手を切ろうとしたのが奴らにとっては面白くなかったんだろう。沙耶さんがお前と付き合うとなった以上、岩田がなにを仕掛けてくるかわからない。ましてお前と付き合ったことで、沙耶さんの親戚連中が躍起になる可能性もある。気をつけろ」











「…わかった」











沙耶の両親が、まさかヤクザのせいで死んでいたなんて








このことを沙耶に伝えれば、きっとあいつは悲しむだろうしヤクザを恨むだろう








でも








「…あいつには時期を見て伝える。あいつの安全にも繋がるからな」








「その判断はお前に任せる」









俺は、沙耶になんて伝えたらいいのか









そのことをずっと考えていた

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