淡紅の月と華

第6章 /Saya’s Story

悠さんに車で送ってもらい、大学に着いた





何か広瀬にされたらすぐに電話しろ





そう言われたものの、今日の最初の講義は美南と受けるやつ





美南は大学でできた友達で、私の良き理解者






学部だけじゃなくゼミまで一緒である






流石にヤクザのしかも若頭と付き合ったという話をしたら







「お小遣い稼ぎだよって言いながら男から金巻き上げてたり、男遊びの激しかったりする沙耶から聞かされる話は最早何も驚きはしない」







とぴしゃりと言われた







とはいえ、流石にヤクザの若頭と言ったら多少驚かれたが







あと、私は男からお金をもらっていたのは認めるけど、男遊びが激しかったわけではない







激しかったら今までに彼氏の1人や2人いただろう







「それで…あのね、悠さんと付き合って知ったんだけど…まこちゃんが若頭って…」







きっと私とまこちゃんは今まで通りいられないだろう







だから私はせめて今1番仲のいい美南にこの事実を伝えておこうと思ったのだが








「は?そんなの知らないの、沙耶だけだよ」








と言われてしまった








「え?どういうこと?」







「どういうこともなにも…あのね、沙耶が知らなかったのは箝口令が広瀬さんから敷かれていただけ。沙耶に絶対教えるんじゃねえって私たち言われてたの。だから私は広瀬さんが若頭なのも知ってたし、知ってたから沙耶が心配だった」








「え…?」






訳がわからない






なにを心配されていたというのだろう







「沙耶が、広瀬さんに狙われてたのはゼミ生どころか、学部生ほとんど知ってるんじゃないかってほど。広瀬さん有名人だから。だから私なんて、沙耶が男とご飯行くだとか、そういうの割と私経由で広瀬さんに伝わってた」








「…!」








「私も友達売るみたいで嫌だったけど…でも沙耶がいつか危ない目にあうんじゃないかとも思ってたから、それよりかは広瀬さんが守ってくれてる方が安心かもとも思ってた」








「…」







「ヤクザの若頭と付き合ったっていうからついに広瀬さんと沙耶が付き合ったのかと思ったのに…まさか別枠若頭だとは…」









美南がさっき驚いていたのはそういうことらしい







ごめん、と謝られても、そりゃ怖い人からそういうことを言われたら誰だって逆らえないししょうがない








ただ、私の情報がどれだけ筒抜けだったか、驚く以上に恐怖に似たものが体の感覚を支配した








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