高校1年生の姫華は、幼い頃からヤミ金に追い回されていた。そんなある日家に帰ると…………。姫華の切ないラブストーリー。



「死んで逃げる気か?」





真っ黒な服に、真っ黒なコート。

真っ赤な私とは似合わないと思った。






「堅気はいつもそうだ。

逃げる前にケツ拭けって話だ。

なぁ、そうだろ?」




何も映さないそんな瞳で貴方は………




「てめぇも、そう思わねぇか?」




そんな私を、黙って見つめていた。








もう、誰も

失いたくないの。