あの木の下で~番外編~ラブ甘な夜③太一の悩み・クリスマス【完】

そしてクリスマス /ツリーの下で

~太一~




玄関ホールに由香利と並んで立つ。


「今日は楽しかったよ。」

中河教授が由香利に向かって笑みを浮かべる。

「先生、こちらこそ、ありがとうございました。」

由香利が俺が倒れた時の処置の礼を言う。

「うん。優秀な秘書さんから様子を聞いていたし。情けないことに予定の心配も無かったしね--…由香利ちゃんは、驚いただろう?」

由香利は苦笑いを浮かべて、俺をチラリと見た。

「--…もっと、図太い神経を持っていいと思うんだがね。」

教授の言葉に由香利が頷く。

中河教授は俺達を見比べながら、

「別に身体に異常があるわけじゃないけれど--…」

そう、言って俺の左手の甲にチラリと視線を落としてから、「ほどほどに」とニヤリ、意味深に笑った。

その意味を察したのか、隣の由香利からボンッと音を立てて湯気が上がる。

素直に赤くなってしまった顔を隠すように俯きながら、

「~~もうっ」

と小さな声で抗議していた。


0
  • しおりをはさむ
  • 121
  • 547
/ 425ページ
このページを編集する