One Night  第二章

第二章 偽善 /10

言葉に宿る不思議な力を言霊《ことだま》という。


言葉というものには魔力のようなものがあって、どんな些細《ささい》な言葉にでも宿ってしまうその力を、わたしは随分と活用してこれまで生きてきたように思う。


例えばお父さんやお姉ちゃん……今の家族と話す時、敬語で話しているのは距離感をきちんと保っていますという気持ちの表れ。


余り図々しい態度を取ってはダメなんだと、ちゃんと理解してるという事を、相手に分かってもらえるように努力してる。


卑屈な感じにならないように話さなきゃいけないから、最初は結構苦労した。
すんなりと聞き入れられる敬語を話さなきゃと、必死になっていたのを覚えてる。


あれは確か小学生の頃だった。

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