One Night  第二章

第二章 偽善 /11



――その日はお昼頃から雨が降り始めた。



結局のところヤシマさんに何も聞けずにいたのは、ヤシマさんの知り合いだとかいう見知らぬ女の人の約束を守り抜いたからじゃなかった。


もしかすると何かの拍子にポロッと洩らしてしまっていたかも知れない。


ただそれが出来なかった……というより、その機会がなかったのは、誕生日の2日前……女の人に伝言を貰った翌日に、用事があるらしいヤシマさんと会わなかったからだった。


そしてその“用事”というものがどういうものなのか、わたしはまた勝手な解釈をして納得した。

0
  • しおりをはさむ
  • 480
  • 8851
/ 416ページ
このページを編集する