One Night  第二章

第二章 偽善 /12

突然、激しい雨音が鮮明に耳に届いた。
何故今まで聞こえなかったのかと思う程の激しい雨音だった。


その音に紛れたマサムネさんの声がする。
だけど雨音に掻き消されて、何を言ってるのか分からなかった。


昨日ヤシマさんとは会ってない。
それはヤシマさんがわたしの誕生日の何かを用意してくれる為で――…わたしが勝手にそう解釈しただけだけど。


また脳裏に、バレンタインデーに見た女の人が浮かぶ。
あの人に限っての事じゃないのかも知れないのに、何故かあの人ばかりが浮かんでくる。


叩きつけるような雨音が耳障りで、妙に頭に響いてくるそれに頭痛さえし始める。

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