One Night  第二章

第二章 偽善 /16

意識しているとそういう“サイン”を見逃さなかったりするもので、わたしが“それ”に気付いたのは、マサムネさんに話を聞いてから3日ほど経った頃だった。



無意識の中の意識。
そんな感じだった。


マサムネさんの話を聞いてから、自分ではそんなつもりはなかったのに、“無意識”にヤシマさんの動きを“意識”して見ていたらしい。


塾が終わり、駅前から“お化けトンネル”に向かって歩くヤシマさんの、歩調がいつもより少し速く、その上時間を気にするようにチラチラと何度か腕時計に視線を向けていた。


それはさり気ない仕草や行動で、意識していないと分からなかったと思う。

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