One Night  第二章

第二章 偽善 /21

「わたし達、“恋人”なんですよね」

困惑したヤシマさんが何かを言う前にそう言ったのは、自分が口にした事を正当化しようと必死だったからだと思う。


恋人と言っても“関係”に“説明”を付けただけに過ぎず、それが本当の意味ではないという事は分かってるのに、それを言い訳に使い言葉を吐き出した。


「なのに何もないっておかしいと思います」

おかしい事なんて何もない。
これがあるべき姿だと、ちゃんと理解してる。


……だけど。


「それともわたし達の関係は他の何かなのでしょうか?」

卑怯なわたしはヤシマさんが反論出来ないようにする。

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