One Night  第二章

第二章 偽善 /5

「俺は、女の子を“そういう風”には扱えねぇんだ」

灰皿に置いてあった煙草を一口吸い、ギュッと灰皿に押し当て消したマサムネさんが、言った事は次の通りだった。


ただマサムネさんは何となく会話の内容に靄《もや》を掛け、明確に言わない部分があったから、わたしの思い込み違いもあるかも知れない。



ヤシマさんとマサムネさんは一見同じ事をしていて、不特定多数の女の人と関係を持っているらしい。


「大袈裟に言や、この界隈で俺かオヤッシーのどっちにも手をつけられてねぇ女なんていねぇってくらいだ」とマサムネさんは少し得意気に言っていた。


それが自慢になるのかならないのかわたしには分からないけど、マサムネさんを見る限りは自慢になる話のようだった。

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