盲目彼氏 下

呼び出し

車に乗ってからも自分の左手を見ている私を、海斗さんは微笑みながら見ていたことに私は夢中で気が付かなかった。


ピリリリリリリッ


そんな車の中で鳴り響いた携帯の着信音に、私の目線は左手から発信源の方へと移った。


着信が来たのは海斗さんの携帯。


普段海斗さんの携帯が鳴るのを見たことがない私は、何事だろうかと少し不安になった。


「はい。」


海斗さんは誰からの着信なのかわかっているようで、携帯を取り出してすぐに電話に出た。


「……ああ。…そうだな……」


相手の人が話すことに海斗さんが短く答えてる。


「……ああ……わかってんだろ?……いや、ダメだ。」


海斗さんが少しずつ不機嫌になっていく。


「なんでそうなる?…いや、まだだ。」


相手の人が何を話しているかまでは聞こえないけれど話している声が少しだけ聞こえる。


「…少しでも嫌がったら行かねえ。………その話は帰ってからだ。」


ピッ


海斗さんはもう完全に不機嫌になっていて、強制的に電話を終わらせた。








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