こじらせたのは君のせい

大人になるって・・・ /二心

*小川優太







「絶対におかしいだろ?」


リフトアップされた車の下で
つなぎ姿の島崎君のイライラは止まらない。





「別れたんじゃねぇかな・・・」




古いオイルが流れていく様子を
二人でぼんやりと眺めた。







「もし、そうだとしてもですよ・・・」



島崎君ほどではないけれど
俺だって小学生の頃から優奈のことは知っている。



「その話、優奈にはしない方がいいですって。」








「でもなぁ・・・」


ドレンボルトを取り付けフィルターを交換して




「ちゃんとしめたな?」


「はい、大丈夫です。」



車は下ろされた。







「じゃあ、何て聞くんですか?」












「男とうまくいってないのか? ・・・とか?」



オイルを注いでいた島崎君が注意深くホースを抜き
フィラーキャップを閉めた。







「やっぱ、駄目かな・・・」


「・・・だと思いますよ。」






「優太、エンジンかけて。」


「はい。」







「ん・・・ 駄目って何が駄目?」







「何がって・・・

そんなこと聞かれて
優奈、まともな返事をしますかね?」



「・・・」








「また優奈が泣いちゃったら・・・ どうするんですか?」









「・・・るせぇよ。」






「え? すみません、聞こえませんでした。
ちょっと音楽の音下げます?

ははっ、そう言えば優奈の奴
この車に乗るといっつも
音がうるさいって文句言ってますよね?」



「うるせぇ!

エンジン切れ!」




俺から離れ
ボンネットへ向かう島崎君。



はははっ、カリカリきてやんの・・・

さっきから俺、わざと優奈って連発してっからなぁ・・・





優奈絡みになると
島崎君をいじれるから楽しい ・・・内緒だけど。




週末は
島崎君がアルバイトをしているこの店に
頻繁にやってきている。







0
  • しおりをはさむ
  • 8
  • 10
/ 308ページ
このページを編集する