こじらせたのは君のせい

大人になるって・・・ /酒と涙と幼なじみ

*林 美沙










「どうだったの? 今日は。」


近所にあるチェーン店の焼鳥屋
向かいに座るフミに尋ねた。






「探しに行ってたんでしょ?」


「うん・・・ 収穫なし。」






「そっかぁ・・・ お疲れ様。」


握っているジョッキを
フミのジョッキにコツンと当てる。







「ふっ・・・ ありがとう、美沙。」







そこへ



「お待たせしました!」


注文の品を持った店員がやってきた。






「うわぁ、美味しそう。」


「さぁ、どんどん食えよ? 林。」




「うん、ありがとう。」








「田中ぁ!」


「ん?」





「ん?じゃねぇよ!
お前こそ、飲んでばっかじゃなくてちゃんと食えよ。」


「ふふっ・・・

ありがとうな、心配してくれて。」










「・・・はっ、ったくよぉ、林!
ちゃんとこいつ、食わせてくれな?

田中、今に体壊すぞ。」




「ありがとう。
大丈夫、ちゃんと見てるから。」










さすがに近所なだけあって
中学時代の同級生がアルバイトをしていた。





「お前らって
相変わらず仲がいいんだな?」


「ふふふっ。」








「付き合ってないんだろ?」


「付き合ってないよ。」







「わっかんねぇなぁ・・・」





フミの手が伸び
焼鳥の串を一本掴んだ。


彼と視線を合わせると
一口食べて見せ
ゆったりと笑いかける。





「ちゃ、ちゃんと食ってんならいいけど・・・」


「うん。」








やだぁ・・・

最近のフミって何か色っぽいんだよね・・・



これって、異性の私だけじゃなく
同性でも感じるってことだよね?





危なっかしいなぁ・・・ 本当に。












タイミングよく成人した私たちは
アルコールを仲間に加え
近所の飲食店に一緒に出掛けていた。







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