こじらせたのは君のせい

求められていない真実 /嫉妬

*松本里緒









「タクシー、捕まらないんだってぇ。」



仕事終わり
居合わせた人たちで
即席の忘年会宜しく
はしゃいでいた私たちは

その一言で静かになった。








「金曜の夜で、クリスマスだもん。
仕方がないか・・・」






「どうする?
もう電車もないし、カラオケでオールでもする?」


「どっか泊まれるところ探す?」




「えー・・・ もう疲れたよ・・・」

「私はぁ・・・ 迎えに来てもらおっかなぁ?」



「えー! 誰にー!」








「里緒は?」


「純ちゃん・・・」







「里緒はどうするの?」


「うん・・・」




最善策を考えていた。


第一希望は
タクシーに乗って家に直行! なんだけどな・・・







迎えに来てくれそうな知人を思い浮かべてみる。




まず・・・ 面倒くさい人は除外して・・・







それにしても


こんな日の
この時間に飲んでいなくて
下心のない人・・・ なんて・・・












『あの子ね、誕生日とかクリスマスとかは
女の子と過ごさないんだよ。』












「ちょっと・・・」












『あの子と過ごしたい子なんていっぱいいるんだよ。

でも、そういう特別な日は誰も一緒に過ごせないの。』












「迎えに来てくれるか・・・ 聞いてみる。」




「わかった。」



優しく微笑む純ちゃんに背中を押されるように
スマートフォンを握りしめると部屋を出た。







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