こじらせたのは君のせい

呼べない名前 /知らない番号

*里緒








「ネエさん。」


私に腕を掴まれた佐藤が
やさしい顔で呼ぶから


「何?」


もうドキドキが止まらなかった。







それなのに・・・





「電話。」


「電話?」







高校生活最後の日
やっと捕まえた1年後輩の佐藤。




押さえつけてでも何が何でも絶対に
一緒に2人で写真を撮るって決めていたのに





「・・・え? 誰?」




絶妙のタイミングで掛ってきた誰かもわからない電話に
気を取られた一瞬の隙に




「あっ、佐藤。」





逃げられてしまった。










実現目前だった
手の中にあった私の夢は



結局

夢のままで終わってしまった。





0
  • しおりをはさむ
  • 8
  • 10
/ 308ページ
このページを編集する