±5のあいだ

第一感 /目




人生のどん底という状況は、当たり前だけれど急に訪れる。
前もってわかっていたら、回避できたのかもしれないと思いながら、重い羽毛布団をよけるのも億劫で、足をすべらせ、つま先だけ床につけた。
それでも携帯は両手で持ちながら、今日が何日で、今が何時で、それだけを確認する。

ため息も出せなくて、ただ、長めの呼気を鼻から出し、目を閉じた。


「もう、やだ...。」


心の声の制御はできなかったみたい。

携帯の画面を伏せて、ずずっと布団を顔まで引き上げる。


足の親指が少し寒い。


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