漆黒に、華の紅【完】

御祝







じっくりと季節を深めて秋に入った。




最近は仕事、夜の育み、仕事、夜の育み。 時々出張。



みたいな規則正しい……いや、変則的とも言える生活を送った。




「寒いな」




隣を歩く奨人がぼやいた。


『しょうがないだろう…もう11月だ』




本当に平和な時間を真夏から初秋まで過ごした。



珱人も以前よりかは聞き分けが良くなり、奨人と透との行動を許してくれるようになった。


と、言うのも龍が珱人に呆れて喝を入れたのだが。



耳元で何か言われてからは大人しくなった。


何を言われたか、何を言ったか知らないが助かった。



奨人が巻いたマフラーがヒラヒラと靡く様をボーッと見ながら平和ボケしていた。




あぁ、本当に何もない日々。


キャバもクラブも売り上げ好調、地域の保全も順調、仕事も快調、体は少しばかり寝不足で不調。



まぁ寝不足は想像に任せるが多分分かるだろう。



だが、人に愛されているというだけで幸せな事だと言い聞かせた。




まだ吐く息は白くならない。


だけど肌寒い。 暖房なしではキツい時期。







その時期のイベントなど、記憶の片隅にも無かったが。




案外私の周りにはマメな奴が多いらしかった。



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