漆黒に、華の紅【完】

撮影





「華、笑って」


『殺す』


「ねぇ、終わんないから」


『埋める』


「……華」


『沈める』


「……はー…」





終わらない、私と久しぶりのホスト乃亜。





こんな下らなくて汚い会話を、沢山の光と人に囲まれながら繰り広げるなんて思ってもみなかった。




そう、あの時まで。






「華ー」


『死ね』


「ストレートすぎないかな、お姉さん…」



はぁ、と溜息を吐いた蓮が手を叩いて「一旦休憩〜」と声を張った。




その言葉を機にどっと疲れた顔をするカメラマンとパソコンに向かう照明の人、各々よく分からない機器を下ろす姿を見て激昂していた気持ちが鎮まり、居たたまれなくなった。




「どう? 自覚した?」




後ろからふわりと耳を撫でる声に正直に頷くと、頭をポンポンとされた。



…何で乃亜は私を年下扱いするんだ。 それは蓮にも言えることだけど。




はぁ、と溜息を吐いて行くところまで行ってしまったので腹を割ることにした。









こんな状態に何故なったのかは、2時間前まで遡る。




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