悪役姫と男装騎士Ⅰ【完】



姫乃さんたちとハイタッチをしている彼は、頬が緩んでいてその微笑みは、色気がある。
人を引き付ける魅力を持つ彼は、多くの生徒と観客を虜にしている。
本当に面白い。


そんなことを考えながら、一心の元へ向かう。
俺は最後から2番目。
一心に渡す。


今はごちゃごちゃと考えるのはやめて、走ることに専念しよう。


「よおー」


「あず~遅かったね~」


相変わらずゆったりと緩い話し方をする悠真と昴。
一心からも視線が来る。


『ええ』


「え~!なんか~良いことあったの~?嬉しそ~」


あれは、良いことなんでしょうか。
悪くはなかった。
嬉しそうに見えるのだろうか。


「スッキリした顔をしているぞ」


「本当だー!梓が゛スッキリ〝するなんて珍しいー」


一心に言われて、なるほどと思った。
顔に出ていたとは。
しかし、昴に言われると違う方に聞こえるのは俺だけでしょうか。


『そうですか?それよりも、メールの内容を理解してるんですか。気を張ってくださいね。』


一心は分かっているだろうが、悠真はいつも飄々としていて、未だに掴めない。
分からないことも多い。


『それに、悠真は白石くんたちと幼なじみだったんですね。』


「うん、そ~!あ~、次梓だよ~頑張ってね~」


話を切られた気もするが、確かに自分の順番だ。
昴と一緒に走ることになるが、バトンパスはほぼ同時。
バトンを受け取ると、全速力で走る。


気持ちがスッキリしたからなのか、いつもより肩の力が抜けて走りやすく感じた。




《梓side end》




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