両手を広げて~My sweet lover【完】おまけを追加

優しすぎる彼



朝、目が覚めると
隣にはいつもの温もり。


フワフワの柔らかい髪に指を通す。

小犬みたいに愛くるしい寝顔で、スースー寝息をたててる。


「ふふ…無邪気な顔」



思わず笑みを漏らし、フワフワの髪にキスを落とした。



「──んっ…。彩南?」


「おはよ、優ちゃん」



眠そうな眼を擦り、ボーッとした意識の中、チュッ、チュッと啄むようにキスを落とすのは…

あたしの彼氏、
藤木優太(フジキユウタ)
23歳。美容師


そして、あたし
不破彩南(フワアヤナ)
同じく23歳。美容師


あたしたちが出会ったのは5年前。

まだ高3のとき。

バイト先の本屋だった。


好きな作家が一緒で、
好きな映画も一緒で、

すぐに意気投合したあたしたちは、付き合うまでに時間はいらなかった。

バイトのシフトが一緒の時は隠れてキスしたり、どっちかがバイトの日は小説を物色したり、レンタルDVDを吟味したり…

終わったら一緒に帰宅。

二人乗りの自転車で、夜風を切ったあの頃。


優太と付き合いだして、もう5年だ。

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