両手を広げて~My sweet lover【完】おまけを追加
強引すぎる彼
美鈴に強制参加を命じられた“合コン”の日。
仕事が終わったあと、念入りに化粧直しをする美鈴の気迫に押し潰されそうだった。
気合い…入りすぎ…
若干引きぎみのあたしは、美鈴から少し離れた所で乱れた髪を結い直していた。
「彩南は、ホント…アレンジがが上手いよね~」
付けまつげを片手に、チラリと横目であたしを見る美鈴に、思わず苦笑いした。
片目しかついてない付けまつげ、怖いから…
もともと派手な顔立ちなのに、さらに華やかさをプラスした美鈴は、
どこぞのキャバ嬢…顔負けだと思う。
一人頷き、綺麗にアップスタイルに纏めると、簡単にメイクを直して終わりにした。
「気合いが足らん!!」
あたしのいつもと変わらない格好が気にくわなかったのか、仁王立ちの美鈴に『座りなさい』と、無理矢理座らされると、ドッサリと入ったメイクポーチから、次々に出される道具たち…
結局、付けまつげでまつげバサバサにされ、ラメ入りのアイシャドーで目元はキラキラに、たっぷり塗られたグロスでテカテカに光った口許。
なんだかな…
もう、好きにして…
鏡に映る自分の顔が普段と違いすぎて、自嘲ぎみに笑うしかなかった。
「さ、行くわよ!!」
ノリノリの美鈴とは対象に、こんなに重たく感じる足どりは初めてだ。
早く帰りたい…
帰って、優ちゃんに抱っこされたいなぁ…
優太に合コンのことは話さなかった。
美鈴の命令で、話すなと言われたからだ。
その方がスリルあるでしょ!? と…
スリルか…
ホントは、少しだけその“スリル”に興味があった。
18歳から今まで、大人になりきれないままの恋愛に、ほんの少しのスパイスが欲しかったのかもしれない。
総合ランキング626位獲得!(2014年09月)
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とても嬉しく思います!
皆様のレビューもしっかりと読ませていただいてます。
ありがとうございます(*^^*)
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