許嫁(いいなずけ)・壱

迎える為に /報告






「「「お帰りなさいやし。」」」



「ただいま。」

「ただいま帰りました。」






バタバタの七瀬組訪問は、俺や岩泉から沢山の土産話を安生にもたらした。




「いやぁ、可愛い子には旅をさせるもんですなぁ。」


狸腹を揺らす安生に、




「加賀が泣いてたぞ。」




簿反りとこぼすと、




「成長の糧になる筈です。」




ヘラりと笑いやがった。

一体加賀にどんな説明したんだか。




「半年分の身の回りのもの送ってやってくれ。」




俺は橘にくれぐれも、と頼んだ。安生の狸は宛になんねえ。




細々とした報告をしてる岩泉を横目に、お袋の部屋を目指す。



「帰ったら直ぐに顔を出して。」




言葉通り、お袋は弥生さんと2人、手ぐすねをひいて俺の話を待っていた。



安生は小田切の話を聞きたがり、お袋は春菜とのやり取りを聞きたがった。

安生への報告は岩泉に丸投げだがな。




「まあ、じゃ、その奈都さんに春菜ちゃんは苛められてたの?」




「おまけに海里さんの実の子かも知れないって…。
春菜ちゃんが可哀想。
幸乃さんも辛いでしょうに。」



「快里さん、紳士で良い男っぽかったのに、幻滅。」



弥生さんは容赦無い。







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