許嫁(いいなずけ)・壱

成長期 /幕間6

side 羽川凍夜




俺はガキの頃から七瀬組と言う近畿にあるそこそこ大きな組で育てられた。

家族は年の離れた兄一人。羽川連夜。銀縁の眼鏡をかけた知的なイケメン。30才独身。俺とは16も年が離れている。現若頭七瀬悠里の教育係だ。


兄貴の親父は昔あった抗争で死んでいた。当時若頭だった現組長、七瀬快里と共に狙撃されたんだ。
当時兄貴はまだ11才だった。

じゃあ俺はと言えば、シングルマザーになって兄貴を育てていた母親を引っ掛けた男との間に出来た子だった。


俺が5才、兄貴が22才の時、俺の親父はお袋と俺を捨て他の女と消えた。

更に1年後、今度はお袋まで俺を捨てて消えて、今は兄貴と七瀬の本家に部屋を借りて住んでいる。



そこには2つ年下の泣き虫なお嬢がいた。


名前は七瀬春菜。

兄が仕える若頭の下の妹。

出会いは俺が七瀬にいる兄に引き取られた6才の冬。
お嬢はまだ4才。

俺が母親に捨てられたのを誰かに聞いて、勝手に同情してぽろぽろ泣きやがった。



上のお嬢は奈都と言う名で、俺より3つ上の根性が捻れた女だった。
俺を見かけるといつも可哀想ねぇ?と笑いやがった。



色々な事情で俺は中学生になったタイミングで、この泣き虫なお嬢のお目付け役にされてしまっている。





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