許嫁(いいなずけ)・壱

夫婦喧嘩? /嫌味の応酬。



春菜との通話を終えて、
ため息をつく。




「少し時間をおこう。」




口からこぼれた言葉は苛立ち紛れの本音のようで、そうでもない。



『嫌だ。』と駄々を捏ねて欲しい…とか考える俺はマジで勝手だ。

お気楽に眠る隼人をベッドに残し、無意識にまたため息をついて部屋を出る。



このままじゃ眠れそうにねえし、寝酒でも飲むか。



キッチンに下りれば、




「その様子じゃ、
喧嘩別れですね。」




テーブルでコーヒーを飲む充と遭遇した。
弱り目に祟り目かよ。最悪のタイミングだな。





無視して冷蔵庫からビールを取り出すと、




「やけ酒ですか?」




いちいちムカつく奴。




「寝酒だ。そっちこそ夜中にコーヒーかよ。」





「私はこれからリラックスタイムです。」




澄まして口にする充。今日の仕事は終わりましたしねと笑う。





リラックスタイム…長風呂か。




「そりゃ、良かったな。」




適当に返事して充の向かい側に座ったタイミングで、ポケットのスマホが振動した。




着信 羽川凍夜




まったく、なんてタイミングだ。




眉をしかめるた俺からスマホを取り上げた充は、スピーカーにして、通話状態にして俺にスマホを返した。



「…お前なぁ。」




文句を言いかけると、スマホから凍夜の声が響く。



『…もしもし?』




ため息を逃がしてスマホを耳に当てた。








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