あい・編む 

再出発 /再会

午前9時55分。
私は支倉さんと待ち合わせた初めて会った場所に立っていた。
大通りから一筋入った行き止まりの裏道。

約束の時間の5分前。


周りをぐるりと見渡せばあちこちに顔見知りの隠居宅の皆が!




「繁華街に強面さんがぞろぞろと。目立ってるよ!のーちゃん。
支倉さん、帰っちゃわないかなぁ。」



折角セッティングした場だけど、支倉さんが来なかったら皆の努力が水の泡。

てか、こんな分かりやすい罠張ってる場所に出て来る方が変だよ。



眉を下げた私をのーちゃんが笑う。今日はポロシャツにジーンズ姿。なぜかサンダル履き。
履き慣れたサンダルの方が走れるからなんだって。





「来なけりゃあ、普通の奴。
こんな中飄々と現れたら、」



「現れたら?」



のーちゃんはニヤリと笑って言い放つ。



「余程の馬鹿か、大当たり。」



「大当たりって‥」



どう言う意味?



「‥時間ですよ。」



首をかしげた私に、ちょっと真面目モードになったのーちゃんが囁いた。



午前10時丁度。







「おーい!!花房~っ!」



かなり遠くから私を呼ぶ声に私は唖然とした。



「ぇえ゙ーっ!」



「…そう来たか。」



くつくつと笑うのーちゃん。



声のした方を見れば頭に被ったキャップを脱いで、大きく振って私を呼ぶ支倉さん。

でも居場所が!大通りの道向こう側。

流石にあそこは買い物客が多くて捕まえるのはたいへんだろう。注目は浴びてるけど…ここまでたどり着けないと思う。



「真由ちゃん、あれが?」



のーちゃんに聞かれて頷いた。



「支倉さんだよ。」



その途端、



「確保ーっ!」



のーちゃんが叫んで周りにいた強面さん達が一斉に走り出した。



ドタドタドタ…



のーちゃんの声を聞いた途端、にっ!と笑った支倉さんは人混みに紛れて消えた。



「なに、あれ?」



あれじゃあまるで花房の強面達と追いかけっこしに来ただけじゃない。




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