君に惹かれ、君を恋う【完】

第二楽章 /ダンギク


大好きな丘のベンチに座りぼうっとする。


何も考えたくない。でも、考えなくてはいけない。


無事二次予選を通過して次に待ち構えている本選の事を。

今後の自分の演奏の事を。

自分が今まで何をしていたのだろうかという事を。


全て、考えなくてはいけない。



まりあちゃんに言われた、私は何を伝えたいのか。



そんなの、分からない。分からないから悩んでいたんだ。

それは音楽の道に進むと決めた時よりもずっと、ずっと前から。

どうして私はピアノを弾いているのかと、ずっと考えていた。


ただ好きで、ただ楽しくて始めただけなのに、何故かいつの間にかそんなことを考えていた。



そして、考えても分からないから、またいつの間にか考える事を放棄していた。

 

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