君に惹かれ、君を恋う【完】

最終楽章 /シャガ



「小林薺」



廊下を歩いていれば後ろから声がかかった。



「まりあちゃん」



私は振り返って彼女の名前をいつも通り呼んだ。



「貴方、どうしたの?」

「え?」

「最近、休憩中はともかく講義中もずっと上の空じゃない」



そう言われて、そんなことないよ、と返せばまりあちゃんは眉間に皺を寄せ怪訝そうな表情をした。

綺麗な顔が勿体ないよ、思っていればまりあちゃんは私に訊いた。



「あの後、彼と会ったの?」

「彼?」

「藤宮暖隆さんよ」



彼の名前を訊いて一瞬顔を強張らせた。

まりあちゃんの言うあの後とは花展の後ということだろう。



「あ、えっと」

「会ったのね」



戸惑う私にまりあちゃんはそう言って私の隣に並んで歩く。


今すぐ逃げ出したい衝動に駆られるが、まりあちゃんには話したい。と言うよりかは相談したい。


しかし、こんなこと初めてでどう相談していいのか全く分からない。
 

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