君に惹かれ、君を恋う【完】


彼は毎日ここへ来ていたのだろうか。

それならとても申し訳ない事をしてしまった。

しかし、今日はちゃんと伝えなければ。2週間も待たせてしまったのだから。



「ハルさん、あの…」

「小林さん」



私が言おうとすれば、ハルさんはそれに被せて私を呼んだ。

いつもはちゃんと話を訊いてくれるハルさんが被せてくるなんて珍しくて隣を見上げれば、また困ったように笑うハルさんがいた。

それに首を傾げれば、



「この前の事は忘れてくれていいからね」



言われて、フリーズする。



「え?」

「突然すぎて困ったよね。あんなことまでしてごめんね。きっといくら謝っても許されないだろうけど、もうここにも来ないようにするし」



突然の事に彼が一体何を言っているのか理解するのに遅れる。


忘れてもいい?ここにも来ない?


どういうこと?意味が分からない。



「それが言いたかったんだけど、小林さんなかなか来ないから」



本当にごめんね、と未だ理解に苦しむ私に変わらず困ったように笑う。

そんなハルさんを見ていると何故だか泣きそうになって、咄嗟に俯く。
 

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