君に惹かれ、君を恋う【完】

最終楽章 /アナギラン


レッスンが始まる数分前。私は先生を待っていた。


昨日、先生に演奏会へ出ると伝えれば、私がコンクールに出ると言った時以上に喜んでくれた。

そして今日はその演奏曲を一緒に決めてくれる。


何を弾こうか悩んでいれば授業の開始のチャイムと同時に先生が部屋の扉を開けてやってきた。



「おはようございます」



挨拶すれば、おはよー、と先生は軽く挨拶を返した。



「何弾くか決まったか?」



先生は訊きながら大量のプリントと楽譜をピアノの上に置いた



「一曲どうしても弾きたいものはあるんですが他は全く」



苦笑いを溢しながら言えば、先生は興味津々に訊く。



「お、何弾きたいんだ?」

「きらきら星なんですけど…」

「きらきら星?」



私の言葉を訊いた先生は至極不思議そうな表情をした。



「子供の頃から一番好きな曲なんです」



私の言葉に、そうか、と先生は一つ頷く。

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