君に惹かれ、君を恋う【完】

最終楽章 /ヒイラギ


千代ちゃんたちの発表会が終わって早くも2ヶ月が経ち、とうとう演奏会を明後日に迎えた今日も私はピアノに向かっている。


あれから約三ヶ月が経つが一度も丘へは行っていない。

というのもずっとピアノに張り付く毎日だから考える余裕もない。ただ、彼の為に弾くという事は忘れていない。


一息ついた時、タイミングを見計らったかのように電話がかかってきた。

ディスプレイを見ると珍しい名前が表示されていて不思議に思いながら電話に出る。



「もしもし?」

『あ、もしもし?薺?今どこにおる?』



電話に出ればどことなく焦っている我が弟の声が耳に入る。



「どこって、部屋におるけど。どしたん?柊汰が電話してくるとか珍しい」



いつもは柊汰の携帯から桜が電話をかけてくるのだが、今日は珍しく柊汰本人からの電話だった。
 

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