君に惹かれ、君を恋う【完】

第一楽章 /ノボリフジ


やっぱりここは気持ちがいい。


いつもの丘のベンチに座りそんなことを思う。



演奏会から何日か経ち、少しずつ暖かくなってきて、やっと春が近づいてきたと思うようになった。


芝生も少しずつ鮮やかになってきてもう少しすればそこらに生えているであろう草にも色とりどりの花が咲くのだろう。


そして、葉が枯れ落ちている木々には今にも咲きそうな程に膨らんだ蕾が付いていてもう時期花を満開に咲かせ、蕾のない木にはそろそろ緑が映えてくる。


あぁ、春が待ち遠しい。




「あ、」



のんびりしていると前に着物を着た彼が見えた。


今日は以前見た着物の柄とはまた違う綺麗な柄の着物だった。



どれだけの種類の着物を持っているのだろうかと思ったが、和服愛好家なだけに何着も持ってるのだろう。


着物って高いけど、お金持ちなのかな?

きっとそれを訊いてもまた曖昧にしか答えてくれないんだろうな。



でも、気になるものは気になる。




不思議に思っていると彼は私に気づき、こちらに向かってきた。

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