君に惹かれ、君を恋う【完】

第一楽章 /ヘリコニア


そこは木々に覆われていて外からは見えないが、その林を抜けると広く芝生の敷かれた広場に出る。

真ん中には大きな木が生えており、すぐ側にはベンチがある、そんな少し小高い丘だった。



その丘は外から中が見えなければ、中から外も見えない。

勿論すぐ下にある街も見えない。

しかし緑の広がるその広場はとても綺麗で、殆どの木々の葉が枯れ落ちる冬の景色も、また綺麗だと思わせた。


そしてどの季節も今いるところは都心なのだということを忘れさせるほど静か。



そこが私のお気に入りの場所で、この都会の中で唯一心を休めることの出来る場所だった。


今日も私はその丘のベンチに座っている。

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