君に惹かれ、君を恋う【完】

第一楽章 /ローズマリー


自分で決めたはいいがやはりどのコンクールの予選も厳しく、今回のコンクールも勿論、厳しい。

そして著名な審査員の方が多いからか、先生はいつも以上にレッスンに気合いが入っていて練習漬けの毎日だ。


その所為で私はこの大都会で唯一心を落ち着かせる事の出来る場所へ二週間ぶりに足を踏み入れた。

この間は木の枝に近くまで行ってやっと芽生えているなと分かる程の大きさだった葉もいつの間にか大きくなっていて、木に色がついていた。


春が来たのだと実感する。


その緑を見ながら膝の上に置いているフルートを構えて久々に吹く。

やっぱり部屋で吹くよりここで吹く方が何倍も気持ちがいい。

ピアノもここで弾ければどれだけ楽しいだろうか。

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