君に惹かれ、君を恋う【完】


軽く吹き終えて、膝の上にフルートを置いて落ち着いていると前には二週間ぶりに見る彼がいた。


「こんにちは。お久しぶりです」


初めて、私から挨拶をする。



「こんにちは。元気だった?」



ハルさんは相変わらず優しく笑って私に挨拶を返し、訊いた。



「最近、少し、忙しかったので疲れました」



苦笑いで答えれば、お疲れ様、とハルさんは優しく言葉をかける。

それに心を癒されながらもベンチを横に詰めれば次は、失礼、と言い隣に腰掛けた。


今日も見たことのない柄の着物を着た彼はやはり、綺麗だ。


男の人に綺麗という形容詞で例えていいのかは分からないが、それ以外の言葉が思い当たらない。

格好いいけれどその言葉はあまりしっくりこなくて、爽やかとも少し違う。


ハルさんにどの言葉を当ててもやはり、綺麗という言葉に行き着くのだ。

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