無敵のビーナス 1【完】

走り出せ! /2

担がれ運ばれた先は、大きなソファーが鎮座した明るい部屋。


ドサリとソファーに下された私は、それが意外に丁寧だった事に驚いた。


同じく隣にドサッと腰を下ろした翔は、私が重かったと言いたげに手をグルグル回したりするから、キッと睨んでやった。


嫌味だなぁ。


不良の溜まり場とは思えない、日当たりの良さにキョロキョロと周りを見渡していると、ガチャリと音を立てドアが開いた。


「この子?」


金髪にピンクのメッシュ、毛先が遊んだ小柄の男の子。


私と同じ年位の彼の登場に、私は慌てて姿勢を正し、隣に座る翔が噴いた。


「そんな、改まんなくて良いし」


ププッ、と笑い出した可愛い男の子。


「俺、永山 幸人(ナガヤマ ユキト)よろしく」


眼の前に差し出された手には、ごっついドクロの指輪。


こんな手で殴られたら、鼻血噴き出すね・・・


そんな事を思いながら、私は彼と握手した。

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