無敵のビーナス 1【完】

「その話でしたら・・・」


「話を聞いてみよう」


ウンザリした表情を浮かべた役員の声を止めさせたのは、一番に冷たい視線を送りそうな空ちゃんだった。


その役員の驚く表情から、本来なら断って当然の申し入れだったはずなのに。


優しい笑みを浮かべ『聞いてみよう』と口にした彼に、相手は勿論、ここに居る皆が驚いていた。


ただ一人、トキを覗いては・・・・


「折角の機会だし、普段はライバル視される両校間で交流を持つのも良い刺激になるかも知れないね」


甘い瞳で微笑まれ、英林の生徒会長の顔は瞬時に着火されたみたいに赤くなる。


優しい空ちゃんの丁寧な対応。


なんて素敵な生徒会長なんだろう。


そう感じたに違いない。


でも、甘過ぎる笑顔を浮かべる彼に違和感を感じる。


いつもの口角だけの笑顔でない優しい微笑み、きっと何か計画しているに違いない。

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