無敵のビーナス 1【完】

そして再び、走り出せ! /7

初めて入った聡さんの部屋は、空ちゃんや私のいる部屋と同じ間取りなのに。


置いている家具や配置のせいか、これまた別の雰囲気を持っていた。


全体に淡い色彩の室内は、若者向けのモデルルームさながらで。


促されるまま腰を下ろしたソファーには、海外のモノらしいお洒落なクッションが配置されていた。


素敵なクッション・・・・って、アレ?


「それね、亜美ちゃんのご両親の店のモノだよ」


やっぱり、

見覚えのあるデザインに頬が緩む。



「他にも、店のモノがいっぱいあるから見覚え有るかもよ」


明るく優しい聡さんの声音に、緊張が解れていくのが分かった。


「亜美ちゃんのご両親とは、仕事絡みで」



「病院で、アロマオイルとか使ってくれてるんですよね?」


ママからの電話で聞いていた事を思い出し、そのついでに買ってくれたのかなと思った。


「あぁ、元々は偶然入った店でご両親を見掛けてね。
楽しそうにキャンドルや北欧の商品の話をしてるのが聞こえて、つい声を掛けてたんだ」


「えっ、そうだったんですか?」


私はてっきり、強気な社員さんが営業に行って勝ち取った取引先だと思っていた。


まさか、そんな出会いだったなんて。


0
  • しおりをはさむ
  • 747
  • 764
/ 509ページ
このページを編集する