無敵のビーナス 1【完】

ビーナス? /1

仕事の途中だったのか、

再び車のキーを手に部屋を出た聡さんを見送り、私も部屋を出た。



そのまま素通りする気にもなれず、再び舞い戻った空ちゃんの眠るソファーの傍ら。



まるで天使のような彼の寝顔に、少し前までに起きた事が悪夢のように思えてくる。



スヤスヤと寝息を立てる空ちゃんの顔には、よく見ると小さな汚れが付いていて。



それが相手からの返り血だと気付いた瞬間、背筋がゾクリと震えた。



寝起きの空ちゃんが、この血に気付かないように拭き取ってあげなきゃ。



洗面所に向かおうと立ち上がり掛けた私は、横から伸びて来た腕に腰を引き寄せられ




「きゃっ!!」


バランスを崩した私は、そのまま空ちゃんの上に倒れ込んでしまった。



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