無敵のビーナス 1【完】

ビーナス? /2

一体、何だったんだろう?



リビングに戻った私は、落ち着かなくてコーヒーでも飲もうかとキッチンに立った。



でも、実際に飲みたい訳ではないから・・・



何となく、棚に並べられたコーヒーや紅茶の箱を眺めているだけ。



「おい、何やってんだよ」


小馬鹿にした声音に顔を向けると、大きな欠伸をしながら翔が、ソファーの背凭れに腰掛け私を見ていた。



いつの間に、全然気配がしなかった。


「何って、コーヒーでも飲もうかと思って・・・」


「へ~っ」


「なっ、何よっ」


「コーヒーで良いのか?」


「えっ・・・」


「ハーブティーとかもあるし」



ハーブティーの響きに、ピクッと反応した私を見逃さなかったみたい。


「くっ、ハーブティーな」


私の背中をドンと押しキッチンから追い出すと、慣れた手付きでハーブティーを淹れ運んできてくれた。


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