無敵のビーナス 1【完】

ビーナス? /3

バタンっ、


ドアの閉まる音に、急に不安になる。



私の手を引き自室に来た空ちゃんは、掴んだ手を放す気配がなくて。




「僕の事、怖い?」


そんな不安定な状態に居た私は、彼の口を出た言葉に大袈裟に反応してしまって。



空ちゃんの綺麗な顔が、傷付いたように歪んだ。




「当然の反応だよね」


私の肩をポンと押し、ベッドに沈む私を見下ろしながら告げられた言葉は寂しげな呟きで。



『そんな事ないよ』


って、直ぐにでも言いたかったのに。




「んっ、っ・・」


大きく揺れたスプリング。



私に覆い被さるように、逃がさないとばかりの空ちゃんの行動に。



反応する隙さえ与えられないまま、強引なキスに言葉を奪われてしまった。



息が苦しくて、キスの意味すら分からないような・・・奪われるだけの口づけ。



私の気持ちなんて無視で・・・



ううん、

もしかしたら私じゃなくても良いのかも知れない。



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