きす X はぐ【完】

きす Ⅹ はぐ /夢への障害物




「んー、アメリカかぁ。
スケールぶっとんでたね。びっくり。」



目の前では、一緒に頭を抱えてくれる朱里。


夜月の話を、一人で抱え込むことがオレには出来ず、一番信頼できる彼女に相談することにした。



日光の名前は伏せ、陽向がある会社の後継者で、それに最初は反対していた夜月は現在は陽向を尊敬していて...陽向が後継者になることを望んでいる。



そして、後継者になるためにはアメリカに留学して、色々な勉強をする必要があること。


話の端々を拾った説明に、朱里は眉間にシワを寄せながらも納得してくれた。



「そっかぁ、国内なら...会おうと思えば会えるかもだけど...海外になると、なかなか、ね?」


「ん。それに、あっちに言ったら陽向...絶対忙しいし。」


「いっそ、着いていけば?」


「は?!!」



さらり、にこり、


あまりにも簡単に言った朱里に呆れる。


「おっまえ、オレの一大事を...」


「もー、怒らないでよ...」



ぷくっと頬を膨らませて、「...でも」と言葉を続ける。



「どうせ、あずちゃん将来やりたいことも決まってないんでしょ?」


「...まぁ」



拗ねるように口を尖らせてそういうオレに、ニヤリと何か企むような笑みを見せて、人差し指でオレを指す。



「それなら、永久就職ってのがありますけどぉ?」


「んなっ、...ばかっ」


とんでもないことを言い出すものだから、思わず背筋をピンっと伸ばした。



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