きす X はぐ【完】

きす Ⅹ はぐ /照らすひかり



久しぶりに一人で帰路につく。



放心状態のためか、寂しさは感じない。



放課後、先生に呼び出されていたオレが教室に戻ってくるやいなや、朱里が慌てた様子でこちらに向かってきた。



陽向が麗美とどこかへいってしまった。


そう聞いて、急いで探しにいったんだ。


また陽向に近づきやがって、お前とは結婚しないんだよ!陽向は。


って、イラつきながら思い当たる場所を探していた。


十分ほど、校内を探していると、誰もいないはずの空き教室から人の声がしたんだ。




あ、ここだ。なんて呑気に構えて、次耳に入ってくる言葉がオレと陽向の関係を揺るがすものだなんて考えもしなかったんだ。



教室のドアに手をかけ、開けようと力をいれたとき聞こえた会話。




「えー?早くしなきゃ、麗美...
あずささんに言っちゃうよ?」


猫なで声の麗美の声。出てきたオレの名前に肩がピクリと動いた。

言うって...何を?


「っ、絶対やめろ。」


「なんでー? 」






麗美の楽しむような声に大きなため息をついた陽向は、




「あずさの両親を殺したのが、日光...だなんて、あずさが傷つくのわかってんだろっ?!」




そう叫んだんだ。



瞬時に言葉を理解できずに硬直した。



オレの...両親を殺したのが

...日光?


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