初恋みるく【完】

2nd:くすぐったい関係 /同居人として


先に車から降りた先輩は、助手席へとまわり、ドアを開けた。



それから手首を引かれ、やや強引にマンションのエントランスへ向かう。



「…」





玄関につき、お互いに無言のまま先輩が鍵を取り出す。




ドアを開け、振り返った先輩はわたしを間に挟んだまま鍵を閉めた。










「…ふっ、ひでぇ顔。」


「…っ?!さいてぇ…!」



いっぱいに涙をためて、溢さぬよう我慢しつくしたまぶたから、ついに一粒雫が落ちる。


長い指で優しくそれを掬った先輩は、






「泣いていいよ。心愛?」


「…っ」




見たことないほど優しい笑顔で胸を貸してくれた。





「…う、ぁ……っ」



「…」



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