初恋みるく【完】

3rd:恋が重なる時 /タイムリミット

*律side*




近くの駐車場に停めていた車に、心愛を乗せる。



なかなか起きないこいつには感服だ。
入山のところに、置いとかなくてほんとに良かった。



襲われたって文句なんか言えないだろ。



「んん…」



小さく唸る彼女に目をやると、少し目が腫れているのが分かる。



「…泣いたのか。」



目のすぐ下に、指先で優しく触れる。


熱を持つ肌に、胸が痛んだ。





『…隙あれば…いつでも狙いますから。 せいぜい高梨泣かないようにしてください。』




さっきの、入山の言葉を思い出す。


腹が立ったから、挑発しかえした。
でも、本当は…捕られても仕方ない。そう思ってる。



絶対渡したくないけど。
あいつは心愛の同期で、付き合っていたって誰にも文句は言われない。


隠す必要もないし、泣かされることもきっとない。




「それでも…」



小さな呟きはそこで途切れ、車内に空気として消える。


心愛の柔らかい頬を撫でてから、前を向いた。


家につくまで起こさないよう、ゆっくりと車を発進させた。










それでも、…譲らない。





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