初恋みるく【完】

3rd:恋が重なる時 /正式彼女スタート


金曜日の終業後。



私のスマホが小さく震え、緑の光でLINEのメッセージを知らせた。



電源ボタンを一回押せば、見慣れたポップアップ画面に、飾りっけのない文章が映し出され、




『地下駐車場A13』



それだけの文章を左から右へと目で追った。


たった八文字。

文章というより、名詞。



そんなのに、心踊る私はもう頭おかしくなってるんだ。きっと。



そそくさとパソコンのシャットダウンボタンをクリックし、手荷物を素早くまとめる。



「お先に失礼します。お疲れさまでした。」


残業組に向けて一礼した後、ちらりと部長室へと視線を配ると、すでにそこには明かりはなかった。




小走りでエレベーターに乗り込み、下行きのボタンを連打。



すぐに音のなったそれに乗り込み、間違えて"1F"を押しそうになって、慌てて"B"を押し直す。



いつもは少し離れた人気のない小道にある喫茶店の前で待ち合わせするから、慣れてしまった一階へのボタン。


でも今日は、会社の駐車場で待ち合わせ。




今日、大好評で終えることのできたプレゼンによって、見えない何かが変わったのは間違いないと思う。



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