初恋みるく【完】

5th:優しさに揺れる /それぞれの前の向き方

次の日の朝。



「おっはよーーーございます!!」


「……っ、おはよう、心愛ちゃん。」


執務室に入るなり、大きな挨拶をすれば、みんな驚いた顔を向けながら挨拶を返してくれた。


「…高梨、お前、大丈夫か?」


少し間を空けて、「……頭」って続けた失礼な入山。


「……おいおい、失敬な!」


空元気ですから!説明させないでいただきたい!


と、言葉には出さずに心の中で叫んだ。


昨日の夜、眠りに落ちるまで散々と考えた。


先輩にもう一度私の正直な気持ちを伝えること。

ダメなら別れること。



…でも、出てくる答えは全部一緒。



ひとつ。
先輩を苦しませたくない。

ふたつ。
先輩と別れるのだけは絶対に嫌だ。



先輩は私の初恋で、今までの人生で唯一好きになった人。


高校生の時の告白から、ずっとずっと彼との再会の時を待っていた。


社会人になって、それを果たして、運命だと思った。


その運命を守りたい。それが私の答えで。


その答えを貫き通すことは、きつくて苦しいって分かってるけど。


信じるって決めた。

いつか佐月さんが元気になって、先輩が私のところに戻ってきてくれることを。



それまでは、先輩の彼女としてふさわしい人になれるよう、努力する。


昨日までに散々落ち込んだ。

だから、もう…



前を向くことにした。

答えは前にしかないって分かったから。

0
  • しおりをはさむ
  • 533
  • 793
/ 539ページ
このページを編集する