初恋みるく【完】


今日の会議で使う資料をコピーするために席を立った。


コピー機は執務室の入り口の隣に置いてあって、そこまで向かう途中、


「おはようございます。」


出社してきた律先輩と鉢合わせ。


「…おはよ」


気まずそうな挨拶を私に向けた律先輩に、


「おはようございます!!」


満面の笑みで挨拶を返した。


よしっ!今のは絶対にちゃんと笑えた。


少し驚いた顔をした律先輩をおいて、横を通り過ぎようとすると…


「…っ」


後ろから腕を掴んだ手に動きを止められた。


いつもと違うシャンプーの香りが鼻をかすめたと思えば、耳元に大好きな声。


「…あとで、部長室に来い。」


「…」


驚いて、少し離れた顔を見上げれば、真剣な表情を私に向ける。


コクンと頷けば、掴んだ腕を離して、部長室に入っていった。


私は、先に目的だった会議資料のコピーを済ませる。


始業まであと10分という頃、言われた通り部長室に入った。

0
  • しおりをはさむ
  • 549
  • 806
/ 539ページ
このページを編集する