初恋みるく【完】

6th:君がくれた強さ /けじめと決意


休み明け、会社に行くと隣の席は空席だった。


「入山さん、風邪で今日はおやすみだそうです。」


「え?!風邪?」


気の毒そうな表情で、「年末に大変ですよね〜」と教えてくれた夏目ちゃんに青ざめる。


クリスマス、雪混じりの雨の中一緒にいてくれた彼を思い浮かべる。


ぜ、…絶対わたしのせいじゃん!!



ど、どうしよう。


寒い中上着を私にかけてくれた入山は薄着ですごく寒かったはずだ。


なのに、私をわざわざ家まで送り届けてくれて…


彼の優しさに胸が痛んだ。



入山の容体が気になりすぎてその日は仕事にならなかった。


隣のデスクを見ると、入山がいない間に積み重なった書類の山。
うう、申し訳ない。



終業間際、先輩社員が私の元に書類を持って近づいてきた。



「…入山、明日来れるのかな…
心愛ちゃん、なんか聞いてない?」


「あ、いや…聞いてないですけど…
なにか急ぎの用件ですか?」


尋ねると、困ったように頭をかいた先輩。


「至急で確認してもらいたい資料があってさ…明日朝一に対応しなきゃだから、今日のうちに渡したかったんだけどな〜」


「…私、持って行きましょうか?」


そう言うと、先輩は一瞬驚いた表情を見せたが、

「じゃあ、お願いしていい?」と私に資料を差し出した。


入山の調子も心配だし、…伝えたいこともあるし。


ちょうど良かったと、終業のチャイムがなるとすぐにオフィスを出た。



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