初恋みるく【完】

6th:君がくれた強さ /女のバトル

次の日、午後から隣県に出張に出る律先輩は、残った仕事を片付けるべく、いつも以上に忙しく駆け回っていた。


昨日の資料…渡しておいてよかった。
今日だったら絶対に埋もれるところだった。


なーんて、先ほどOKを貰った資料を手に真面目なことを思ったり。


完全仕事モードの先輩から昨日の弱さは微塵も感じられない。


だから、逆に私が帰ったあとどうなったのかが気になる。


昨日は大丈夫だっただろうか。
勝手に私がスマホの電源を落としたせいで佐月さんのところに行くの遅くなっちゃったし…


あんなことして佐月さんに申し訳なかった…とは思うけど…後悔はない。


だってあんなに切羽詰まった先輩見たことないもん。きっと誰にも言えず、ずっと我慢してたんだよね?


先輩には幸せでいて欲しいのに…話を聞くしかできなくて…ごめんね?


どうかどうか、昨日の先輩が佐月さんにあまり怒られていませんように!


と心の中で手を合わせて神様に祈った。


そのあと、キャリーケースを引きながら先輩が小走りで出て行ったのは、もうすぐ12時で昼休憩のチャイムがなる頃だった。


まもなくしてチャイムがなり、節電のために部屋の電気が消される。


今日の昼食は何食べよう…なんて思っていたところ…


ーピリリリ…


電話機から内線を知らせる音がなり、夏目ちゃんがワンコール以内に受話器を上げた。

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