初恋みるく【完】

6th:君がくれた強さ /何よりも大切なもの


「…は?!救急車?!」


室内に大きな声が響く。


朝から空席だった心愛の席。
気になって直属の課長に確認すると、昨日階段から落ちて病院に運ばれたらしい。


俺の反応に驚いた顔をした課長がまた口を開き、


「運ばれたといっても、足の骨折以外は異常はないようですが、骨折の影響で発熱があるらしくて…
数日は安静にするようにと医者に言われたそうです。」

と、詳細を教えてくれた。



なんだよ、それ…
そんなことあっても俺に連絡しないのかよ…


人から彼女の状況を聞かされる今の状態に心から辟易する。


危機的状況でも俺に助けを求めない心愛に悲しみを通り越して怒りさえ感じる。



今すぐ心愛のところに行きたい。今ある仕事を全部放り投げてでも最優先で俺は心愛を選ぶ。


それなのに、彼女の家さえ分からないなんて。
なんて情けないんだろう…


部長室に戻り、とりあえず仕事に戻るが…全く集中できない。


どうして怪我したんだろうか。
怪我の具合は?
どのくらいで治る?
飯は作れるのか?買いに行けるのか?




「……あーーーっ」


机に伏せて頭をぐしゃぐしゃとかく



「……会いたい。」



小さく呟いた声が室内に響いて、虚しさを増幅させた。

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